室(むろ)

外断熱の基礎を施工する際に、砂の中に眠っていた「室」を偶然に発見する。
町家に室はあっても、これほど大きいものは珍しいという。電気冷蔵庫が家庭に存在しなかった大正時代、外気の影響をうけにくいこの地下に、温熱環境を利用して食糧を貯蔵した先人達の知恵。自然の摂理を利用する、ソーラーサーキット理論の源がここにある。約百年前の打放し仕上げであったことを物語る、コンクリートの地下の。金沢の町家建築を知る上で、貴重な歴史的資料を後世に遺す。百年後の金澤のために。

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