朱壁(しゅかべ)

群青壁とならぶ金沢独自の伝統の壁色。 芸妓の立ち居振舞いを艶やかに魅するとして、金沢の茶屋街の壁や老舗料亭・旅館で盛んに用いられてきた。 たまる庵の二階座敷の塗り壁は、すべて聚楽土(じゅらくど)。保湿性・吸湿性に優れ、匂いをも吸着するこの壁を、歴史的建築物の修復も行う金沢の左官職人の技で仕上げた。 一見派手に映る朱壁もひとたび腰を下ろせば、琵琶床(びわどこ)に掛け障子の風合いが醸し出す穏やかな趣き。改めて金沢の伝統の美を感じずにはいられない。

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