坪庭

畳敷きのカウンター席に金沢の四季の移ろいを伝える、坪庭。一坪とは畳二畳の広さ。まさに二畳程のこの空間にしつらえた樹木や石、流水が、観る者に癒しと潤いをもたらす。坪庭は本来、採光と風通しを確保するために、先人が編み出した知恵であった。
石川県小松産の本畳に腰を据えれば、漆塗りのカウンターまでも、樹木の美しさを映し出す。
稠密な都市空間に暮らす我々に、生活に密着(ちゅうみつ)したこの小さな自然は、風情とはなにかを語りかけてくる。

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