通り庭に銀箔の壁

たまる庵には、町家ならではの昔から通り庭がある。玄関先から繋がる床には戸室石を敷き詰め、漆喰の白壁に漆塗りの腰板、いずれも金沢ゆかりの建材。中でも一際目を引くのが、黒箔の壁。この鈍色の光を放つパネル壁は、銀箔を燻すなどの方法で酸化させたもの。金沢が銀箔の全国シェア100% であることを知る人は意外と少ない。石、木と土、そして金属。まさに自然の素材が織り成す空間。昔ながらのダイヤモンドガラスがはめられた玄関戸を開ければ、いつでも客人を出迎えてくれる。

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