行灯(あんどん)格子の間

行灯のように、廊下を暖かな光で照らす洋の板の間の壁。格子の枠に張られた、丈夫な先進素材による障子紙がもたらすのは、単に照明の機能だけではない。室内からは外を感じさせず、漏れる陰影がその気配だけを室外に伝える。宴の様子を襖戸越しから察し、絶妙な間合いで給仕する。まさに金沢のもてなしの神髄。
客人への配慮までもカタチにしたこの斬新な行灯格子。襖でもなく、壁や障子でもない。テクノロジーによって生まれた、新しい間仕切りと言えよう。

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