
金澤美粋 町家たまる庵リノベーション

朱壁(しゅかべ)

行灯(あんどん)格子の間

客人への配慮までもカタチにしたこの斬新な行灯格子。襖でもなく、壁や障子でもない。テクノロジーによって生まれた、新しい間仕切りと言えよう。
通り庭に銀箔の壁

隠し格子

その脇に設けられた間接照明が町家の持つ空気感をも照らしだす。漆塗りで仕上げた天井には、常に快適な室温を保ち、新鮮な空気を室内にもたらす最新の空調システムがある。空調と照明器具。どちらも存在感を主張することなくひとつにまとまって、天井裏へと隠される。柔らかな陰翳をつくりだす小さな隠し格子だけが、テクノロジーの存在を物語る。
路地(ろじ)・土縁(つちえん)

坪庭

石川県小松産の本畳に腰を据えれば、漆塗りのカウンターまでも、樹木の美しさを映し出す。
稠密な都市空間に暮らす我々に、生活に密着(ちゅうみつ)したこの小さな自然は、風情とはなにかを語りかけてくる。
透かし彫り

二俣和紙

室(むろ)

町家に室はあっても、これほど大きいものは珍しいという。電気冷蔵庫が家庭に存在しなかった大正時代、外気の影響をうけにくいこの地下に、温熱環境を利用して食糧を貯蔵した先人達の知恵。自然の摂理を利用する、ソーラーサーキット理論の源がここにある。約百年前の打放し仕上げであったことを物語る、コンクリートの地下の。金沢の町家建築を知る上で、貴重な歴史的資料を後世に遺す。百年後の金澤のために。
階段

格子

たまる庵

金澤町家 美粋たまる庵リノベーション立ち上げの背景

